万有回

主に趣味の読書について綴っていければと思います。「昭和の残り滓」といわれる世代。

十三湖しじみらーめん@本町

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  昨日、クォーターへ水カンのライブを観に行く。次々と繰り広げられる予測不可能なパフォーマンス。つねに期待値に+αで返す、というインプロヴィゼーションの才能は天才的だと思う。期待の範疇を逸脱し破壊するエイリアン的なパフォーマンスなのに、一方で「UDON de SKY, SOBA de SKY」ライト兄弟のコールなど、会場が一体となり決まっていたのが気持ち良かった。(そういえば、なぜかスタッフに関係者に間違われ、裏口に案内されそうになるという珍事件も起きたりしたのだった。不思議な一夜だった……。)

 個人的にツボだったのは、アンコールで竹久夢二をリクエストした女性の声が小さくて、KOM_Iさんが「武富士?」と訊きかえしたところ。

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 さて、その日の夜に何を食べるか。私の中ではもう決まっていて、せっかく本町に来たらしじみラーメンしかない。

  このお店は本町の怪しい雰囲気の界隈にあり、夜8時に開店する。深夜まで営業しているのは、おそらく飲んだ後のシメとして来る客を主なターゲットにしているのだろう。というのも、鶏ガラベースのスープのあっさりとした塩分や控えめな油分、つるつると喉ごし良く啜ることのできる中太麺、タンパク質やビタミンBなどが豊富でヘルシーなしじみラーメンは、シメとして最高に違いない。

 しじみとラーメンというと意外な組み合わせに思えるが、食べてみると抜群に合う。しじみの濃い出汁が琥珀色のスープに合わさり、独特な味わいの深さ、芳醇な香りを生み出しているが、ここに若干縮れた中太麺がからまり、咀嚼すると柔らかすぎず硬すぎず、つるつると滑らかな喉ごしで流れていく。しじみとラーメン、この組み合わせをこれまでなぜ誰も考えなかったかと訝しがるほどに旨い。私もたまに鶏手羽先や煮干しでラーメンをスープから煮出したりするが、この美味しいスープは絶対に真似できないと思う。 これだけ澄んだスープにするにはかき混ぜるのも禁物であるほど慎重な作業が必要だろうし、単なる魚介系のものにとどまらず、鶏ガラや野菜などで出汁がとられており、何ともいえない芳醇な出汁の香りがするのだ。

 確かに都会の今時のラーメンと較べれば、王道のラーメンではないかもしれない。ましてや、「しじみラーメン」などといえば特産品のために安易に考案した郷土料理などと色眼鏡で見られてしまうかもしれない。だが、この完成された一杯を前にして、そのような邪推は不要であることを申し添えておきたい。2年前に宍道湖のしじみを食べたのだが、十三湖のしじみもそれと変わらず、店頭に出回っているしじみとは異なり、非常に質の高いものである。20~30個ほどのしじみが大量に供され、殻入れのお皿まで付いてくるあたり、しじみに賭ける想いを感じ取ってほしい。このしじみラーメンは滋養強壮の一杯として、毎日の仕事に疲弊した多くのサラリーマンを救ってくれるだろう。

 ちなみに、青森本店のほか、東京秋葉原にも2号店があるらしい。東京にお住まいの方は是非、足を運んでみてはいかがだろうか。「あっさり」(本店1番人気)と「コク」(本店2番人気)の2種類から選ぶことができるので、その日の体調や気分に合わせていろんな味を試してみていただきたい。