万有回

主に趣味の読書について綴っていければと思います。「昭和の残り滓」といわれる世代。

秋田くいだおれ

 知人と秋田探訪。美味しい店を探し歩き回るが、TVチャンピオン出場経験のある知人の胃袋には敵わない、と実感。せっかくなので、美味しかったものを掲載。f:id:momokawataro:20171111195609j:plain 川反地区に古くから存在する「やきとり宮本 川反店」。アットホームで落ち着いた雰囲気。若鶏手羽、もも、鶏皮、豚かしら、ねぎま、砂肝、軟骨、豚ばら、つくねなどを盛り合わせで頂く。

 たれはかなり濃い目の味付けになっており、甘辛い焦げた醤油の匂いが食欲をそそる。鶏肉が新鮮で、歯応えがあった。味が濃いので、さっぱりとした茶漬けが食べたくなる。ところが、米が品切れで今から炊くというアクシデントが発生、熱燗を啜ってはまた一串ほおばり、また熱燗を啜り一串ほおばりの繰り返し。危険な状況なので酩酊する前に退散することにした。

 それから、穴場の居酒屋を教えてもらい、深夜3時まで数軒はしご。(薄利多賣半兵ヱで、さざ虫という釣り餌になる幼虫を肴に、宝梅酒のお湯割りで身体を温めたりしながら。)3軒目ですっかり酩酊。

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 翌朝、6時前に起床し、たけや製パンの直営店へ。工場に併設された小さな販売所だが、作りすぎて余った物を6個で388円だったり、破格値で提供している。地元の方だけでなく工場で働く方々も多く訪れているようで、レジの店員が「あら、今日は日曜出勤? おつかれさまー」などと声を掛ける場面もあった。

 ここで私が目を付けていたのが、「学生調理」だった。3年ほど前に食べたことがあったが、美味しいという尺度とは別の感覚、何というか激しいノスタルジーに襲われたのだった。パンの中に詰められたフライ、サラダ、パスタというオールスターズの存在により、それ一つだけで学生の腹が満たされる絶対的な理由が存在し、しっかりと一つのパンの世界として完結していた。それだけでない、この包装、ネーミングなどすべてにおいて完璧なのだ。ここには美味しさという尺度で決して測ることのできない、揺るぎない価値が存在していた。

 今回、その学生調理の隣に、「学生調理Ⅱ」を発見した。学生調理Ⅱや中年調理という製品があることは知識として知っていたが、実際に目の当たりにするととんでもない多幸感に包まれざるを得ない。秋田市に宿泊する時にホテルの朝食が必要なかったのは、何よりも、この「学生調理Ⅱ」を頬張るためだった。が、深夜にかけての暴飲暴食の影響で殆ど寝ていないので、「学生調理Ⅱ」を食べる気分になれず。大方からすれば意味が分からないかもしれないが、私にとっては、学生の気持ちになってちゃんと腹をすかせた状態で食べなければいけないし、そうでないと意味がないのだ。

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 たけや製パンの直営店の近くにデイリーヤマザキ秋田工業団地店があるが、そこらにある普通のデイリーヤマザキを想像してもらっては困る。というのも、コンビニ内に品揃え豊富で本格的なベーカリーが併設されており、贅沢に餡やホイップクリームを包んだ「工団パン」や、エビカツを挟んだ「工団バーガー」などの製品が置いてある。

 2017年11月11日から発売が始まった「平凡人パン」エビ中のぽーちゃんが考案したもの)も在庫が充実していた。実はローソン、セブン、ファミマなどの店舗に行って在庫がなかったのだが、この店には3種類(ザクチョコ、抹茶、晩餐)がすべて揃っていた。(上掲のようなパン売り場だけでなく、レジ前にも展開していた。)

 早速、ザクチョコを食べてみたが、フィリングのザクザクした食感が既製品と違って新しく、意外と長いので一本あれば十分腹が満たされる。りったんこと中山さんが「本当にだいすき! 本当にだいすき!」と秋田分校のライブ中にあえて2回続けて発話し、論理的に謎の嘘っぽさがかもしだされてもいたが、その懸念も払しょくされた。

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  昼すぎ、秋田港の近くのベイパラダイス2Fにある「すごえもん」という食堂へ。じつは、一昨年、昨年もこの食堂を訪れており、今回で3回目である。昨年はカキフライのランチを食べたけれど、サクッと揚がった衣のなかからぷりっとしてジューシーな身が出てきて、臭みがなく新鮮ですごく美味しい。それに、美味しい秋田のお米が山盛りのように盛られてくる。最初、普通の食堂では考えられないような、良心的なお米の量にたじろいでしまった。とはいえ、窓際で秋田港を眺めながら食べると箸が止まらなくなるのが恐ろしい。

 今回食べた鯛のあら煮、醤油ベースの甘めの味付けが癖になるし、身がほろほろ溶けるまでしっかり煮込んであった。鯛を箸で持ち上げただけで、ほろほろと崩れてしまう。まるで猫になった気分で、余すところなく骨の髄まで堪能させてもらった。数年前に銀座で食べた鯛のあら煮は身が固めでほくほくしていたが、それに比べて今回のあら煮はすぐに溶けてしまうタイプのもので、ここまで食べやすいのは初めてだった。

 まさに秋田くいだおれ、と呼ぶにふさわしい2日間だった。今週は徹底的に食事制限をして鍛え上げよう、と心に誓う。