Cashew books

本を貪るのは好物のカシューナッツを食べるのに似ている

魅惑の鶏ハラミ丼

先日、知人の地元を訪れ、昔ながらの食堂で特産品の鶏ハラミを食べた。貝のようなこりこりした食感だが、しっかりと鶏の脂の旨味も感じられ、噛めばかむほどに口のなかに旨味がひろがっていく。しんなりとした葱との相性も抜群で、絡み合う甘い醤油ベースの…

みたらし団子の奥深い旨味

先日、近所の喫茶店でみたらし団子を食べたのだが、至福の時間だった。まず、みたらし団子が運ばれてきた瞬間、皿から湯気が立上り、一瞬にして周りが良い香りに包まれた。これまで、私は湯気の出ているみたらし団子にお目にかかったことがなく、また、これ…

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近所の川辺を散策していたら、岩の隙間から飛び出てきた蛙に遭遇。よほど暑かったのか、せっかく陽に当たったのに、またこっそり隙間に隠れようとしていた。水車のある涼しい場所だったので、しばらく、蛙のかくれんぼに付き合った。(そういえば、かくれん…

コリアンダーの春雨サラダとスープ

知らない間に、庭のコリアンダーが白い花を咲かせていた。白く可憐な状態であれば、この花も食べることができるので、早速収穫する。(コリアンダーは、根も茎も実も全て食べることができるので、非常に魅力的な食材。私の狭い想像を超えた、多種多様な楽し…

山野浩一『X電車で行こう』

先月、山野浩一氏が逝去したことを知る。数年前からブログを拝読していたので、抗癌剤治療を続けておられたことは存じ上げていた。主に競馬評論の世界で著名であり、作家としては寡作であったが、彼の作品は今でも全く色褪せない傑作である。個人的には文学…

ラベンダーのサシェ

関東地方は梅雨明けしたそうですが、東北地方はまだ雨が降り続いている。僧侶の方々にとっては夏安居の時期、私も真似して大人しく自室で本を読みながら過ごしている。あるいは、庭に咲いたラベンダーを眺めて癒される。 庭に咲いているラベンダーは、フォー…

県庁食堂の味噌ラーメン

じつは、数日前に夏風邪を引いてしまった。鼻水と咳が止まらないうえに、39度近い高熱に魘されるという悪循環に陥ってしまう。しかも、忙しい時期で深夜まで残業する日もあったりして、絶対に休めない状況だった。 そういう状況にあって救われたのが、食堂の…

漢検1級を受験してきた

今日、漢検1級を受験してきた。英検1級と漢検1級を取ることを個人的に目標としているのですが、英検1級の方は昨年合格したので、現在、漢検1級に挑んでいるところ。 漢検1級を初めて受験した感想としては、過去問から想像していたよりもハイレベルだっ…

十三湖しじみらーめん@本町

昨日、クォーターへ水カンのライブを観に行く。次々と繰り広げられる予測不可能なパフォーマンス。つねに期待値に+αで返す、というインプロヴィゼーションの才能は天才的だと思う。期待の範疇を逸脱し破壊するエイリアン的なパフォーマンスなのに、一方で「…

鯉の甘煮

先日、ニテコ名水庵で鯉料理を食す機会があった。久しぶりに甘煮、鯉こく、あらい、たたきを堪能した。生臭い鯉の後味を想像していたのに反し、すべてが淡白な味だった。たたきも上品な味噌の香りがするし、あらいの刺身も全く生臭くない。甘煮も生臭みがな…

吉田屋@大月

先日、山梨の富士吉田市へ訪れる機会があり、吉田屋の肉きんぴら月見を食べた。麺は田舎風の極太手打ちうどんで、茹でキャベツ、馬肉、きんぴら、生卵などが載っている。前々からこのような郷土料理が吉田にあることは知っていたが、味が想像しづらく実体が…

大人のクロワッサンダマンド

足繁く通っているベーカリーがある。パンだけでなく、ふだん見ることのない世界各地の珍しいオーガニック食品を多々取り扱っており、好奇心を満たしてくれる。 いつも決まって購入するのが、クロワッサンダマンド。最初に食べた時、強烈なラム酒の香りに魅せ…

加計学園獣医学部新設問題についての前川前文科次官による会見(全文文字起こし)

[弁護士] ここに来て皆様にお話をする経緯、その気持ちを最初にお話させていただきたいと思います。 [前川前事務次官] 文部科学省の前事務次官の前川喜平でございます。今日はお集まりいただきましてありがとうございます。座ってお話させていただきます。 …

展勝地の桜

知人から誘われ、展勝地へ花見に行く。桜は満開で、誰もがみな顔を見上げて歩いていた。 展勝地は何度か訪れているが、堂々と咲き誇った桜が連なり、人間の頭上を覆いつくすという光景は圧巻である。しかし、子どもの頃から私は、花を愛でるにもそれなりの流…

万寿山の草花

知人と早春の万寿山を散策した。不安定な天候で、雨がポツリポツリと降っては止んでいた。 やまゆりの宿の敷地を抜けていく緩やかなルートを択んだけれど、登り始めてからすぐに足元に芹葉黄蓮や猩々袴が咲き乱れているのに気づく。他にも、岩団扇、三角草、…

馬酔木の花

昼過ぎに公園を散策してみると、あちこちで馬酔木の花が咲いていた。白く可憐な花が房状に重なり合い、樹々を覆っている。山茱萸の黄色い花も咲いていて、春に咲く黄色い花のなかで先陣を切る姿は潔く思えた。ふと斜めに光が差し込むと、明るく鮮やかな黄金…

花椿

世間では2度目のプレミアムフライデーでも、私は深夜の帰宅。それどころか、休日出勤というオマケまで。(そもそも、年度末なのに早く帰れる人はどのくらいいるのか……) 土曜の仕事は早めに切り上げて、和菓子屋に併設されたカフェへ。手前にディスプレイ…

The Clever Rain Tree

年度末ということで土曜出勤する。僭越ながら、昇任祝いということでお花やお菓子などを頂いたりして、大変有難かった。 勤務先の近所にある和菓子屋で知人とお茶をする。和菓子屋なのにランチプレートというのがあるらしく、注文してみることに。俵型のおむ…

Florentins

特に予定のない休日には、フロランタンをつくる。幼い頃には頻繁に作っていた憶えがあって、家族団欒の年中行事としての趣きもあった気もするが、しばらく遠ざかっていた。今はただ単純に食べたいから作るだけのこと。周りの焦げてパリパリした部分が美味し…

震災から6年目を迎えて

あの震災から6年目を迎える。土曜日だけれど、家にいられるような心境ではないと思い、ボランティアの手伝いをさせていただいた。非常に貴重な経験であったが、震災の翌年に参加した時のボランティアの過酷さと較べると、あっという間に時間が過ぎてしまっ…

某若手人気女優の出家について(2)

先週の土日も出張が入ったりして、2週間ぶりの休み。読みたい本(アーレント『責任と判断』)を持って、近所の喫茶店へ。ここのバームクーヘンが美味しい。外側は甘いカラメルでコーティングされており、カリッとしていて香ばしい。中の生地はしっとりして…

某若手人気女優の出家について

23時ごろに仕事を終え、帰宅。きょうは記念すべきプレミアムフライデー第1回らしいが、相も変わらず火の粉のように振りかかる残務整理に追われる。早く撤収して図書館や美術館を愉しむどころか、夕餉のための食堂すら開いていない。とはいえ、夕餉を食べる…

カンパーニュの隕石――「ブルーベリーマロン」「オレンジピールチョコチップ」

昨年末、岩大工学部の校舎の裏に、カンパーニュというベーカリーがオープンした。テレビの大食い選手権などで有名な、魔女・菅原氏が開いた店である。パンの焼き上げから接客まですべて一人で行うだけでなく、自家培養発酵種を実験し、数十種類の小麦を使い…

フィセルの急進性――ミッシェル「トマトとチーズのフィセル」

毎日5時ごろに起きているせいか、休日なのに朝早く目が覚める。先日食べた、ミッシェルというベーカリーの、トマトとチーズのフィセルが美味しかったので再訪することに。 8時ごろに着いたが、既に店内には行列が出来ていた。お目当てのフィセルを探すと、…

パンとホイップとチョコの三位一体――ニシカワパン「アベック」

加古川市のニシカワパンは、菓子パンの宝庫。花をかたどった「にしかわフラワー」を始め、白あんメロンパンやサンライズ(西日本では、円形のメロンパンをサンライズ、楕円形で白あん入りのパンだけをメロンパンと称する風習がある)、チャーミーやバッファ…

ο

今年見た初夢は、私が喫茶店で珈琲を飲んでいると、前の人が椅子の背凭れによりかかり、いつまでも指揮を振り続けているというものだった。身体が揺れる度に、年季の入った椅子が鋭く軋んだ音を発した。珈琲が運ばれてきても、ラヴェルの「クープランの墓(…

謹賀新年

忙しくて中々更新できないことも多いのですが、今年もよろしくお願いいたします。 師走はいつものように慌ただしく過ぎていって、大晦日も準備に追われる。読みたい本もたくさんあったのですが、全然読めなかった。一応、クンデラの『生は彼方に』を読み進め…

京華@むつ

大湊の京華で「帆立味噌貝焼き」を食す。じつは、味噌貝焼きを探して下北名産センターにも寄ったが、冬季期間は残念ながら食堂は休業しており、食べられなかった。 味噌貝焼き(みそかやき)とは帆立の身、豆腐、葱、海藻などを味噌を加えた出汁で煮込み、鶏…

司バラ焼き大衆食堂@十和田

以前から、司バラ焼き大衆食堂という店名をよく耳にする機会があった。仄聞するところによれば、「十和田バラ焼きゼミナール」という市民団体が十和田市の名物・バラ焼きを通じて町おこしの活動を行っており、そのアンテナショップとして知られるのがこの大…

魚喰いの大間んぞく@大間

下北半島をドライブすることになり、本州最北端・大間の碑まで辿り着く。早朝にもかかわらず、既に数名の先客がおり、記念写真を撮っていた。自分たちも、せっかくなので真似してみることに。といいつつ、じつは、「記念写真」というのが、(風景と人物を同…