Cashew books

本を貪るのは好物のカシューナッツを食べるのに似ている

文庫

谷川直子『おしかくさま』

あけましておめでとうございます。皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。本年もよろしくお願いいたします。 *** 年末いろいろ本を読んだが、サルトルやプルーストなどフランスの文学を再読したくなって、部屋で大人しく読んでいた。(あとはロメー…

バガヴァッド・ギーター

暇なときに、ふと東洋思想の古典を読み進める。『リグ・ヴェーダ』『バガヴァッド・ギーター』――、仏教やヒンドゥー教の素養がないので、古典であるにもかかわらず新鮮に感じる。 ヒンドゥー教の中心的聖典「バガヴァッド・ギータ―」。気になったのは、「行…

盂蘭盆会

先日、北海道へ知人の結婚式へ行ったが、古本屋で、石川九揚『書く―言葉・文字・書』(中公新書)、渡辺守章『パリ感覚』(岩波現代文庫)を購入した。一ヶ月半ほど原因不明の眩暈に悩まされていたが*1、ようやく治まったので、また本を読もうと思ってのこと…

春の万寿山

今年も春の万寿山に登ったが、多くの登山者で賑わっていた。歩く速度が他の人よりも速いのだろうか、他の登山者の方々を追い越す時に狭い山道の脇に避けてくださるのが申し訳なく、ありがたかった。逆に、登山者が下ってくる時には、極力脇道へ避けるように…

山野浩一『X電車で行こう』

先月、山野浩一氏が逝去したことを知る。数年前からブログを拝読していたので、抗癌剤治療を続けておられたことは存じ上げていた。主に競馬評論の世界で著名であり、作家としては寡作であったが、彼の作品は今でも全く色褪せない傑作である。個人的には文学…

伊藤整『日本文壇史16―大逆事件前後』

久しぶりに1日丸ごと休みだったので、スコーンを作ってみたりした。近くに住んでいる従妹の家に行く用事があったので、その従妹に差し入れすることに。従妹は高校で教鞭を執っているのだけれど、20代後半の女性の部屋とは思えないほどメカメカしている。何…

中勘助『蜜蜂・余生』

休日にビアガーデンで頼んだ、白身魚フライ付きのカレー。カレーと白身魚のフライの組み合わせは初。 白身魚にスプーンを入れると衣はサクッとして、身はふっくらとして柔らかく、ほんのりと甘味も感じる。肉よりも上品で、海の香りも広がるので、個人的に肉…