Cashew books

本を貪るのは好物のカシューナッツを食べるのに似ている

年末のご挨拶

今年ももう大晦日ですね。ブログの更新が1年以上滞ってしまい、申し訳ありません。 *** 今年は仕事の方も少し落ち着いてきて、前年よりは休日の時間が増えたのだが、小説を読むことも殆どせず、趣味のピアノを弾くこともあまりなかった。家庭のこと、料…

風雨同舟

新型コロナウイルスが感染拡大しているが、岩手県だけは奇跡的に感染者が未だ確認されていない。とはいえ、県境を封鎖している訳でもないので、他県からの移動が多いこの時期に感染が拡大していくことは確実で、ほぼ避けられない、と考えるべきだろう。況や…

理解する・認識するとは

年度末であわただしく、てんてこ舞い状態。日曜の夜、『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』の映画を観た。夜にもかかわらず、年配の方々や、若い女性などの姿が多く見られたのが意外だった。(東出某がナレーションしてる影響?) 批判めいたことは書き…

漢検1級(R1-3)の感想

恒例であるが、今年度3回目の漢検1級を受験してきた。自己採点の結果142/200点であり、合格ボーダーの8割には届かなかった。この7割から8割のあいだの壁が非常に高く感じる。難化傾向にあるといわれる試験で7割取れたことに多少手応えは感じているが*1、今…

『人間椅子/押絵と旅する男』(新潮CD)

新潮社から2001年に発売されたCD。佐野史郎の朗読が何ともいえず、湿った静かなトーンの粘り気のある朗読で、独特の変態性や不気味さを感じさせる。「押絵ー」の方で、たとえば、老眼鏡を逆さに覗いた時の「いけません、いけません」という老人の台詞や、…

ポメラ遊び

数年前からポメラで短い小説のようなものを書き溜めている。どこにもないようなものを書いている。(散文、とすらいわないのかもしれない。前衛、すらもとおりこしてこれは何だろうかという)何か応募するとかいう目的もなく淡々と、、、もうだいぶ前、高校…

谷川直子『おしかくさま』

あけましておめでとうございます。皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。本年もよろしくお願いいたします。 *** 年末いろいろ本を読んだが、サルトルやプルーストなどフランスの文学を再読したくなって、部屋で大人しく読んでいた。(あとはロメー…

比内地鶏の親子丼

秋田旅行の途中、駅で食べた比内地鶏の親子丼。前日からろくに食べていなかったせいか、これが箆棒に美味しく感じた。胃袋が満たされて、その日は結局夜も何も食べなかった。以前の栄養管理を過剰に気にしていた頃と違い、だいぶ自堕落になってきた。 今年は…

内田百閒傑作集(東芝EMI)

東芝EMIから2006年に発売された内田百閒傑作集。内田朝雄の渋くて落ち着いた声が百閒の世界観にマッチしていて、何ともいえない。その一から六まで全て耳を通したが、その四の「昇天」の朗読だけは別格だという気がする。何十回と繰り返し聴いて、もはや…

大人のための残酷童話(新潮カセットブック)

ここ数年、文学作品の朗読のCDなどを積極的に聴いている。特に車を運転している時など、SDカードに音源を保存しているので、MUSIC STOCKERというナビのモードで朗読を流すことが多い。せっかくなので、好きな朗読について紹介したい。 中学生あたりに手…

バガヴァッド・ギーター

暇なときに、ふと東洋思想の古典を読み進める。『リグ・ヴェーダ』『バガヴァッド・ギーター』――、仏教やヒンドゥー教の素養がないので、古典であるにもかかわらず新鮮に感じる。 ヒンドゥー教の中心的聖典「バガヴァッド・ギータ―」。気になったのは、「行…

琳派コレクション

秋田近代美で細見美術館の琳派コレクション。若冲の《雪中雄鶏図》が見れなかったのは残念だったが、代わりに後期は若冲の《糸瓜群虫図》を拝めた。主役が奇形の糸瓜である面白さがあり、周りの生き物が細部まで精密に描かれることで、糸瓜のおかしさが尚更…

漢検1級(R1-2)の感想

日曜は漢検だったが、土曜の朝から台風の影響で緊急の仕事が入り、その仕事に追われた。漢検直前まで仕事に追われて、本番も仕事着のまま向かうこととなった。 試験の出来はともかくとして、試験問題の教養的なバランスがとれていることに驚いた。「塵天劫」…

漢検1級(R1-1)の感想

この頃、仕事が多忙で、あまり漢字の勉強が捗っていない。夜中に参考書や辞書をひろげるが、気付いたら電気を点けたまま寝てしまっている。 漢字学習の上では非効率的かもしれないが、白川静の辞典を頻繁に参照している。たとえば、「乞」という字は「霊気が…

盂蘭盆会

先日、北海道へ知人の結婚式へ行ったが、古本屋で、石川九揚『書く―言葉・文字・書』(中公新書)、渡辺守章『パリ感覚』(岩波現代文庫)を購入した。一ヶ月半ほど原因不明の眩暈に悩まされていたが*1、ようやく治まったので、また本を読もうと思ってのこと…

視覚について

知人とシュトラウスというカフェへ。議題は、青森県立美術館で観たシャガール「アレコ」の4作品について。あるいは視覚について、デュフィの絵はなぜデパートでよく使われるのか*1、ベドウィンの身体能力、独眼竜とムアドディブ、3Dは子供騙しに過ぎないの…

追憶の老舗喫茶――浅草「アンヂェラス」

簡素でありながら上品で奥深い味。(いや、簡素「であるがゆえ」に上品なのかもしれない……)浅草の老舗喫茶「アンヂェラス」のマロンパフェの生クリームをスプーンで掬ったときの、滑らかな舌触りに驚く。昔、ここで知人とチョコレートパフェを食べたことが…

失敗作であるはずの梅酒

梅酒は毎年浸けているが、2年前にブランデーで浸ける際、氷砂糖の配分を間違えてしまったことがあった。だから、いつものラベルも貼らずに、「失敗作」という付箋を巻き付けておいた。 だが、その梅酒を恐るおそる味見してみたら、意外と美味しい。もしかし…

ピロシキの宇宙

サンクトペテルブルクから帰国した友人が、本場式に拵えた手づくりのピロシキを持ってきてくれた。僕の方も、作り置きしていたボルシチ風の煮込み物だとか、イチジクやレーズンなどをラム酒で浸けてアイスクリームを作ったものに、アーモンドスライスを薄く…

暇つぶしのパウンドケーキ

8月に入ってから、もう3回もパウンドケーキを焼いた。ブルーベリージャム、キウイジャム、焼き苺によるもの3種。ピスタチオやローズマリーを加えたり、ホワイトチョコを練り込んで焼き上げた。 昔からパウンドケーキを焼くことがあるが、焼く頻度が上がっ…

Clammbon

久しぶりにClammbonへ。煙突から上がる白煙、古くなった壁に並ぶ絵画、隙間なく棚に並べられたCDと白い陶器、年季が入ってくすんだ店内ーー。ここは学生時代、盛岡で初めて入った喫茶店だった。もし人生で閉店しないで欲しい店を5店ほど選べるとしたら、間違…

早池峰山のヒメコザクラ

この時期にしか咲かないヒメコザクラを見たくなって、早池峰山へ。小田越付近の駐車場に車を停められるか心配していたが、山開き前ということもあってか、無事停めることができた。 一合目御門口から上を見上げ、ハイマツ帯と蛇紋岩の織り成す風景を見て、子…

深夜焼肉の誘惑

GWは東京や新潟へ行ったり、地元で過ごしたりしたが、旅行先に住む友人や帰省する友人と会うとなると、決まって深夜まで遊び耽ることとなる。焼肉を食べたり、ファミレスへ行ったりするのだが……、そこで待っているのが「深夜メシ」における禁断の悦楽であ…

大槌城址

きょうは、4月下旬とは思えないほどの蒸し暑さだった。外の温度計は、31℃という数字を映し出していた。 知人と大槌城址付近を散策。桜の花も殆ど散ってしまい、新緑の若葉が青々しい。いまや城内には誰の姿もなかったが、2週間ほど前なら大勢の花見客で賑…

春の万寿山

今年も春の万寿山に登ったが、多くの登山者で賑わっていた。歩く速度が他の人よりも速いのだろうか、他の登山者の方々を追い越す時に狭い山道の脇に避けてくださるのが申し訳なく、ありがたかった。逆に、登山者が下ってくる時には、極力脇道へ避けるように…

エビ中のピアノアレンジ動画

拙い演奏で恐縮ですが、エビ中こと私立恵比寿中学の楽曲をピアノ用にアレンジ・演奏した動画をYoutube上に3曲アップロードしています。 youtu.be www.youtube.com www.youtube.com 昨日気付いたのですが、いくつかコメントも頂いていたようでありがとうござ…

大江健三郎『文学ノート』

今年の冬は例年に比べて一段と寒く、雪も降り積もって車で遠出もできない。仕方ないので、近くの古本屋で大江健三郎『文学ノート』(新潮社、1974年)を購入し、おとなしく家で読み耽る。 第4章の「作家が異議申し立てを受ける」で、音楽・演劇・文学などに…

H29-3漢検を終えて

先日、平成29年度第3回の漢検1級と準1級を受験した。じつは、準1級は既に持っているのですが、せっかく漢検1級の勉強をしているので高得点を狙えればという思いで受験した。が、至るところでミスを連発、自己採点したところ170点程度。ボーダーは一応超…

西部邁氏の訃報について

先日、評論家の西部邁氏が多摩川で入水したという訃報を見て、驚いた。 西部氏の著作には中学生の頃から触れていたが、更に個人的な思い出もある。大学に在籍していた頃、ゼミの授業に西部氏が講師として来られたことがあった。日本の核保有が講義のテーマだ…

秋田くいだおれ

知人と秋田探訪。美味しい店を探し歩き回るが、TVチャンピオン出場経験のある知人の胃袋には敵わない、と実感。せっかくなので、美味しかったものを掲載。 川反地区に古くから存在する「やきとり宮本 川反店」。アットホームで落ち着いた雰囲気。若鶏手羽、…